永瀬廉くんといえば、これまで温かみのある青年や、繊細な感情を内に秘めた役柄を演じてきた印象があります。
『おかえりモネ』では、震災の傷を抱えながらも父親や周囲を思いやる青年を演じ、
『夕暮れに、手をつなぐ』では、音楽家を目指し夢に向き合う青年。
また『俺のスカート、どこ行った?』や『新・信長公記』では、反抗的だったり、超然としていたりと、感情の振れ幅を持つ青年像を見せてきました。
そんな永瀬廉くんが『リブート』で演じた役を見て、「冷酷に見える」「怖い」と感じたのは、これまでの役柄とのはっきりとした対比があったからこそ、強く印象に残ったのではないでしょうか。
本記事では、『リブート』で感じた永瀬廉くんの「怖さ」の理由について考えていきたいと思います。

永瀬廉演じる”冬橋航”が怖く見えた理由
『リブート』での永瀬くんの役柄は、裏社会に関する組織の実行部隊。”冬橋航” を演じています。
合六の部下として汚れ役を引き受け、裏切り者を容赦無く殴り、時には死に至らしめる冷酷非情な青年です。
”闇会食” のシーン
部屋の隅に永瀬くんが静かに立っている。
(スタンバイしている存在として画角に映りこんでいる。)
合六の「最後にうまいものでも食え」の合図で背後に立ち、
ためらいも感情もなく後ろから棒で殴る
倒れた後も処理は淡々
そして銃声だけが響く
怒りも狂気も見せない。
感情をあえて表に出さない。
「何を考えているか分からない」存在感。
それが、永瀬廉の悪役が成立した理由ではないでしょうか。
悪役は意外と難しい
悪役は、無表情でいれば冷酷に見えるわけではない。
少し似たタイプに見えるキスマイの藤ヶ谷くん。
(※ファンの方には違うと言われるかもしれませんが、あくまで私個人の印象です)
- 『ミラーツインズ』刑事と犯罪者の双子役
- 『潜入兄弟』特殊詐欺組織「幻獣」のリーダー鳳凰役
どちらも明確な悪役でしたが、観ていて「悪人」だと感じにくい印象がありました。
この違いは何だろう、と考えたとき。
藤ヶ谷くんの場合
雰囲気や表情にどこか「人間味」を感じてしまい、悪人でも ”感情が読めてしまう”
だから「完全な悪」に見えなかった。
「事情がありそう」「本当は悪くなさそう」と感じてしまった。
同じ ”悪役” という肩書でも、演じる人の持つ雰囲気や、感情の見せ方ひとつで、受け取る印象は大きく変わります。
悪役は、ただ怖そうに振る舞えば成立するものではなく、意外と繊細で難しい役どころなのだと感じました。
これは演技力の問題ではなく、藤ヶ谷くんが持つ雰囲気から感情の見える人物として映ったのだと思います。
例えば
『ミラーツインズ』双子のもう一人である正義感の強い刑事役。
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』生真面目で不器用。人の好さがにじむ役柄。
の方が、藤ヶ谷くんの魅力が引き立つように感じました。
冬橋航の ”独特な食べ方” に込められた演技の意図
闇会食の場面では、横領がバレて始末されてしまったダイアン津田の残したガーリックライスを、冬橋が食べるシーンがありました。
独特なスプーンの持ち方や汚い食べ方は、監督と永瀬くんが相談して作り上げたとされています。
公式のネタバレによると、「幼い頃、まともに食べられる環境にいなかった」という背景が込められているそうです。
単なる「汚い食べ方」ではなく、人物のバックボーンを演技に反映させた細部の表現としてみると、冬橋航というキャラクターのリアルさや深みがさらに際立ちます。
単なる冷徹キャラではなく、血の通った人間味を感じさせる瞬間になっています。
まとめ
『リブート』は、闇組織の怖さや非情さが強く描かれる一方で、早瀬陸と息子の関係が真正面からぶつかってくるドラマでもあります。
冬橋航の「無」に対して、早瀬陸は「感情のかたまり」。
この対比があるからこそ、闇組織の冷たさが際立ち、早瀬陸の父親としてのもろさがいっそう胸に刺さるのだと思います。
永瀬廉くんの悪役について考えてきましたが、
『リブート』ではこれまでのイメージとは異なる一面を見せ、
俳優としての演技の幅を確実に広げていると感じました。
キンプリとしても、ますます輝きを放っている永瀬廉くん。
今後どんな役に出会っていくのか、引き続き注目していきたいです。
関連記事:『リブート』ドラマ感想。今冬1位だと思った瞬間
関連記事:陸がシュークリームの作り方を伝えに行った理由とは?【リブート2話感想】


コメント