ドラマに登場する「ハヤセシュークリーム」。
スワンのシュークリームを見たとき、昭和の時代にあったような懐かしさを覚えました。
今では見かけなくなりましたが、子どもの頃に見た記憶がよみがえりました。
ドラマの中で、お母さんは一人で店を切り盛りしていてシュークリームを作るだけで精一杯。
ショーケースには、シュークリームだけが並んでいました。
物語の中でも、何度もフォーカスされるこのシュークリーム。
命の危険が迫るタイムリミットの中で、なぜ陸は、わざわざシュークリームの作り方のコツを伝えに行ったのか。
現実的に考えると「今はそれどころじゃない」と意見が分かれる場面だったと思います。
陸の気持ちを考察しながら、なぜあの行動に至ったのか、その理由を考えてみたいと思います。

味の違いに気づき動いた陸
陸は、夏海のことを聞き出すためにお店を訪れました。
そこでシュークリームをひとつ買って食べた時、自分が作っていたシュークリームと味が違うことに気づきます。
そして店を出た後、彼はシュークリームの作り方のコツをメモしていました。
なぜ ”冷めた” と感じた人がいたのか
現実的に考えると、命の危険が迫るタイムリミットの中で、シュークリームの作り方のコツをわざわざ伝えに行く必要があるのか、と違和感を感じる人がいても不思議ではありません。
「今それどころじゃないでしょ」「感動のために作られたシーンに見える」など
と、気持ちにブレーキがかかるのも自然です。
どうして陸は「教えに行った」のか
陸の気持ちを考察すると「これを教えないと店が潰れる」ではなく、
「これを教えないと、俺は後悔する」。
生き残るためには逃げるしかないと決意し、もう戻れないかもしれない。
最後にできることとして。
味の違いに違和感を覚え、それを放置することはできず、時間がないからこそ行動したのだと思います。
単なるお菓子の味の違いではなく、作り手としての人生や思いがそこに反映されていると感じました。
ものづくりに携わったことがある人なら、よりリアルに理解できる瞬間かもしれません。
脚本家があのシーンを入れた意図
陸という人物が最後まで「作り手」であったことを示すために描かれたシーンなのではないでしょうか。
犯罪に巻き込まれ、命を狙われる状況にあっても、
それでも陸は「味」を大事にし、最後まで作り手としての責任を果たそうとしたのではないでしょうか。
そこに、このシーンの本質があるのだと思います。
「優しい味ですね」
お母さんは、一香からアドバイスを受けてシュークリームを作り、陸の味が再現されました。
息子が「食べてみて。お父さんの味だから」とスプーンを差し出し、口にした陸は「優しい味ですね」と一言。
その味を通して、陸は家族の元に戻りたいという思いや、再びパティシエとして店でケーキを作りたいという気持ちを改めて感じたはずです。
優しさが身に染みた瞬間でした。
ちなみにその時、息子の拓海くんは、陸がお店でかぶっていた「ハヤセ」と書かれた黒いキャップをかぶっていました。
家族の絆が細部まで込められたシーンだと感じました。
まとめ
本記事では、陸がシュークリームの作り方のコツをなぜ伝えに行こうとしたのかを考察してみました。
生き延びるためには逃げるしかない状況でも、陸は最後にできることとして行動しました。
母親への想いと、自分にできることをやり遂げたいという責任感が交わった瞬間が、このシーンの大切な部分だと思います。
生きるための選択と、作り手としての矜持。その両方が見える場面でした。
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